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【感染症情報】HPVワクチンの男性接種

【いきいき健康メール】(2021年3月号)
2021年3月10日発行号
◎HPVワクチンの男性接種 COVID-19のワクチン接種が開始されましたが、令和2年12月末にHPV(ヒトパピロ-マウイルス)ワクチンの男性接種、肛門がんへの適応拡大が承認されました。 HPVワクチンは子宮頸がんの予防接種として知られ、また接種後の有害事象について一時メディアで衝撃的に報道されました。 HPV関連疾患には他にも尖圭コンジローマ(性病)、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、外陰がんがあります。 HPVは性交渉により感染し、特に日本を含め世界中で中咽頭がん、肛門がんは年々増加しています。 HPVワクチンを男性に接種することにより自身の性病、中咽頭がん、肛門がんのHPV関連がんを予防するだけでなく二次的にパ-トナ-の子宮頚がん発生予防にもつながり、すでに多くの国で男性接種が承認され、また定期接種化されている国もあります。 しかし日本ではワクチン接種後にみられた有害事象がいまだに大きく影響し女性への接種率は1%未満と他国に比べ非常に低いのが現状です。 "HPVワクチンと有害事象との間には明確な因果関係はみられなかった"とWHOをはじめ多くの報告がみられます。 日本産婦人科学会のホ-ムページでもHPVワクチンの有効性と安全性について詳細に記載されワクチン接種を推奨していますが、若い世代の将来を考えて更に多くの人に伝わるようにするにはメディアを含め情報発信の場が今後増えることが望まれます。 奇しくも3月4日は「国際HPV啓発デ-」でした。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 岡本宏司