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【感染症情報】梅毒について

【いきいき健康メール】(2023年2月号)
2023年2月10日発行号
◎梅毒について 梅毒は10年前から増加傾向でしたがここ2年でさらに急増しています。代表的な性感染症で血液などから感染することは稀です。感染早期は接触部位、粘膜やその付近にしこりや潰瘍が生じます。 ただし、早期では通常の血液検査が陰性になることがあります。粘膜/皮膚症状も自然治癒してしまって、治療の機会を逸する人もいます。無症状であったり軽くて気が付かない人もいます。 その後、バラ疹や手足の紅斑、脱毛症で皮膚科を受診することとなります。紹介状の必要な総合病院皮膚科ではほとんど受診されず、開業医に受診されることが多いようです。 総合病院皮膚科では妊婦検診や術前検査で陽性となり、治療について相談を受けることが多くあります。 検査は2種類あります。病原菌を抗原にしたTPHA,TPLAは感染があったかどうかの判定になるもので抗菌薬が効いて治療の必要がなくなっても陽性のままです。 カルジオリピン(牛の心臓のリン脂質)を抗原としたRPRは治療の目安になります。通常8倍(8R.U.)以下であれば治療の必要がありません。16倍以上ではペニシリンなどの抗菌薬の内服が必要です。 この場合、医師は保健所に届ける必要があります。梅毒だけでなくHIVやB型肝炎も同時に感染する人もあり、日ごろからの対策が必要です。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 下江 敬生