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【感染症情報】新型コロナウイルス感染症-第9波-に思うこと

【いきいき健康メール】(2023年8月号)
2023年8月10日発行号
◎新型コロナウイルス感染症-第9波-に思うこと 酷暑がつづきますが、読者の皆さん熱中症対策は万全ですか。 すでに多くの方が救急搬送されているとニュースでも知るところですが、熱中症とそっくりな注意すべき感染症があります。 そうです。7月中旬から第9波が始まっている新型コロナ感染症(COVID-19)です。 マスクを外した方も多く、街に人があふれ活気がもどり、種々のイベントに、ほぼコロナ禍以前に戻ったようです。ただ少し立ち止まって考えていただけると良いですね。 今年(2023年)4月の日本内科学会において、COVID-19が5類感染症に移行するに伴い、COVID-19に関する総括的なお話がありました。 その講演では、第8波は過去の1~7波のときよりも遥かに多くの方(特に高齢者)がお亡くなりになっているということです。 もしワクチンを接種していなければ、あと10万人は死者がでたであろうということでした。ある地域では高齢者施設でクラスターを起こすと地域医療機関は既に逼迫しており余裕がなく入院できなくて施設内で看取ることしかできなかったそうです。 感染性に関する報告では、飲食時の感染リスクを1とすると、飲酒が8倍、カラオケがあると37倍、接待があると73倍となります。このようにきわめて感染力の高いウイルスの特性は変わっていません。 最近患者さんから「5回目や6回目のコロナワクチンを打つべきか」と質問されることがしばしばあります。 私見ではありますが、私に尋ねられたら先の情報を説明した上で、「もしあなたがご高齢の方や免疫の低下した方に接触する機会があり、あなたの感染がその方に移る可能性があるならば最大限、気を緩めず予防接種に臨むことをおすすめします。まだまだ危険な状態であること、毎日どこかで少ない人数でもコロナが原因でがお亡くなりになっていることをふまえて、ご検討下さい。」とお伝えしています。 COVID-19はまだまだこれからも続きます。一人ひとりが感染について正しく事実を認識して個々に必要な注意をしてほしいと思います。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 高尾 和志