Home > メールマガジン > いきいき健康メール > 【感染症情報】アメーバとレジオネラ感染症

【感染症情報】アメーバとレジオネラ感染症

【いきいき健康メール】(2023年12月号)
2023年12月8日発行号
◎アメーバとレジオネラ感染症 アメーバは原生動物といわれる微生物で、ごく一般的に水の環境中に存在し、水道水などの生活用水中にも生息している可能性があります。アメーバは浴槽などの「ぬめり(バイオフィルム)」に付着しています。アメーバは細菌等を捕食し増殖する栄養体の状態と、環境の悪化などの要因で休眠状態となるシストの状態があり、シストの状態では乾燥や消毒剤などに強い耐性を持っています。  循環式浴槽が原因となってレジオネラ肺炎を発症する事例が報告されていますが、これにはアメーバが深く関わっているとされています。レジオネラ属菌は土や川などの環境中に広く生息している細菌ですが、アメーバなどの別の細胞内に寄生しています。アメーバが、レジオネラの増殖の場として、感染力の維持の場として、乾燥や消毒剤からの保護の場として、レジオネラの運び屋として、重要な役割を果たしています。  循環式浴槽や加湿器が原因となるレジオネラ肺炎を予防するには、水を交換するのも必要ですが、レジオネラが増殖する場となるアメーバが生息する「ぬめり」を除去することが非常に大事になります。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 大多和 泰幸