Home > メールマガジン > いきいき健康メール > 【感染症情報】梅毒患者が急増しています

【感染症情報】梅毒患者が急増しています

【いきいき健康メール】(2024年6月号)
2024年6月11日発行号
◎梅毒患者が急増しています 梅毒は、細菌である梅毒トレポネーマによって引き起こされる性感染症です。この病気は通常、性的接触を通じて感染しますが、妊娠中の母親から胎児への垂直感染もあります。 梅毒はいくつかの段階を経て進行します。初期段階では、感染部位にしこりや潰瘍が現れます。その後、体全身に赤い発疹やその他の症状が現れる第二期に進行し、治療を受けない場合、数年にわたって症状が現れない潜伏期に入ります。最終的には、神経系や心血管系を含む多くの重要な器官に損傷を引き起こす第三期に進行する可能性があります。 治療には、通常、ペニシリンなどの抗生物質が使用されます。早期発見と適切な治療により、梅毒は治癒可能です。 最近我が国においても盛んに梅毒患者の増加が報告されています。感染が増加している理由はいくつかありますが、主な要因として以下が挙げられます 1. 性感染症への意識の低下 2. マッチングアプリの普及 3. 不十分な性教育 4. 移民・観光客の増加 5. 検査・診断の普及 6. 社会的な要因 これらの要因が重なり合い、日本での梅毒の感染が増加していると考えられます。感染の拡大を防ぐためには、性的健康に関する教育や啓発活動の強化、定期的な検査の推奨、の実践が必要です。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 宇高 毅