4.発 熱

知っておきたい子どもの救急


はじめに

  1. 子どもの症状をみるポイント
  2. 病院のかかり方
  3. 元気がない、機嫌が悪い
  4. 発熱
  5. けいれん
  6. 咳、喘鳴(ぜいぜい)
  7. 腹痛
  8. 嘔吐・下痢
  9. 発疹(じんま疹)
  10. 頭部打撲
  11. 異物誤飲
  12. こどもの救急蘇生
  13. 相談窓口

おわりに

 小児の体温は日差や個人差があります。一般的には午前中の体温は低く、夕方には高くなります。小児の発熱の定義としては、37.5℃以上が持続するときとされています。個人差もありますので、日頃からお子さんの平熱を知っておくと安心です。日頃の平熱を目安に、いつもより1℃以上高いときには発熱と考えていいでしょう。しかし、以下のように病気でなくても熱が高くなることがあります。

  • 哺乳、食事のあと
  • 大泣きのあと
  • 運動後
  • 眠たいとき

 時間をあけて体温を測り直しましょう。
 体温はワキの下で測ることを基本としています。小児は耳の穴が狭く、また耳垢の存在などで耳用体温計では正確に測れません。乳幼児では環境や運動の影響を受けやすいので、冷暖房器から離れたところで、しばらく安静にしたのちに測定するといいでしょう。
 発熱によって頭がおかしくなることはありません。また、高熱なほど病気が重症であるとも限りません。発熱があっても、機嫌が良くて元気であれば、しばらく様子を見てもいいでしょう。夜間の場合は、一晩待ってから受診しても良さそうです。

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  • 活気があり、飲水が良好であれば特に処置は必要ありません。涼しい場所で安静にさせるといいでしょう。
  • 39℃を超える高熱時の初期には、手足の先が冷たくなり、全身に寒気を感じてガタガタと震えることがあります。このときは毛布などで暖めてあげましょう。手足が温かくなってくると、熱がこもらないように涼しくしてあげましょう。汗をかいていたら着替えさせましょう。厚着は禁物です。
  • こまめに体に触れて、体温を確認しましょう。
  • 水分は充分にあたえてください。経口補水液が有用です。
  • 解熱剤の常備があればお使いください。ただし、お子さんの年齢や体重に見合ったものを使用してください。大人用のものを服用してはいけません。また、市販の冷却シートには解熱効果はありません。

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  • 意識がはっきりしない
  • 呼吸困難
  • けいれん(ひきつけ)
  • 強い頭痛や腹痛
  • ぐったりしている

生後3か月未満の乳児も早めの受診をお勧めします。

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