一般社団法人 福山市医師会

11.異 物 誤 飲

知っておきたい子どもの救急


はじめに

  1. 子どもの症状をみるポイント
  2. 病院のかかり方
  3. 元気がない、機嫌が悪い
  4. 発熱
  5. けいれん
  6. 咳、喘鳴(ぜいぜい)
  7. 腹痛
  8. 嘔吐・下痢
  9. 発疹(じんま疹)
  10. 頭部打撲
  11. 異物誤飲
  12. こどもの救急蘇生
  13. 相談窓口

おわりに

 子どもにとって危険なものを食べたり飲みこんだりした場合を誤飲と言います。何をどのくらい誤飲し、異物がどこにあるかによって対処法が異なります。

気道異物:何かを飲み込んだ後に突然咳きこんだり、声がかすれたり、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)が出ます。小さい異物が細い気管支まで入り込むと咳や喘鳴が長引いて発熱するなど風邪に似た症状を呈する場合もあります。ピーナッツや豆は気道に入ると水分で膨らむので、しばらくしてから症状が出ることがあります。

食道異物:よだれがでる、飲み込みにくい、のどが痛い、胸の痛みや違和感などの症状が出ます。

異物が胃の中に進むとほとんど症状はありませんが、針やヘアピン、プルトップ(缶ジュースの開口)など鋭利なものでは胃腸の粘膜を傷つける場合があります。誤飲の原因で多いボタン電池は場合によっては放電して胃腸の粘膜に潰瘍を来します。また磁石やマグネット、磁気絆創膏を2個以上飲み込んでしまったり、磁石と金属を一緒に飲み込んでしまうと、それらが腸壁を挟んでくっつくことで腸に穴があいたり、腸閉塞になるなど重症化するおそれがあります。タバコ、電子タバコ、医薬品、洗剤、防虫剤などは成分が吸収されて、中毒症状が出る場合があります。誤飲は予防が大切です。子どもが口に入れてしまいそうな物は、手の届かないところに置きましょう。

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  • のどに詰まった時は、頭を下にして背中をたたいてください
  • 吐かせるときはのどの奥に指を入れて舌を押し下げるようにします
  • 吐かせてはいけないもの
    灯油、ガソリン、ベンジン、農薬、殺虫剤、ヘアピンなど鋭利なもの、強酸性・アルカリ性の洗剤や漂白剤など
  • 誤飲したものが排泄されたかどうか、数日は便を確認してください。

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  • 気道異物、食道異物は直ちに処置が必要ですので受診してください
  • 以下のものを誤飲した場合
    煙草を浸した液体、ボタン電池、医薬品、灯油、
    ガソリン、ベンジン、漂白剤、殺虫剤、アルコール
  • 顔色が悪い、ぐったりしている、意識がおかしい
  • 誤飲したものと同じもの(医薬品やボタン電池など)があれば、受診する時に持参してください

困ったときは中毒110番に相談
つくば中毒110番 029-852-9999(9時~ 21時対応)
大阪中毒110番 072-727-2499(24時間対応)
タバコ誤飲専用電話 072-726-9922(24時間対応、自動音声のみ)

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